B「病気休業開始」時のご相談事例

case B

医師から「うつ病」と診断された社員のことでご相談があります。
診断書には「一カ月の休職の必要あり」となっています。
弊社には休職制度がありますので、早速休みを取るように本人に伝えたのですが
「休職に入ると生活が成り立たなくなる。だから休職はしない」と言います。
こういう場合は、どのように対応したら良いのでしょうか?

ポイント①

医師により「うつ病」と診断され「一カ月の休職の必要あり」と診断書に明記されている場合、素人判断で無理に就労させるのは危険です。 特に「うつ病」の場合は、自殺念慮がありますので、それらの事実を知っていながら働かせた結果、自殺となった場合は企業の安全配慮義務も問われることになります。

ポイント②

会社に休職制度がある場合は、早急に休職に入ることが望ましいのですが、このように経済的な理由により休職を拒む方も少なくありません。

このような際に一般的に弊社がお伝えしているのは、以下のとおりです。
・まずは休職を拒む人の立場になって一旦考えてみましょう。

健康保険に入っていれば、傷病手当金の給付が受けられる場合がありますが、それでも給付額は標準報酬日額の3分の2となります。
(例)月額300,000円の給料 (1か月分) ⇒ 傷病手当金だと200,000円(30日分)
となるため、普段より10万円少なくなる計算になります。

ここからローンや教育費、さらに光熱費、食費・・と考えていくと、「休んでなんかいられない!」となる気持ちも理解できませんか?

そのため「確かに貴方の言うとおり経済的な不安を感じる気持ちは理解できる」と一旦は、その本人の気持ちに寄り添って考えてあげてください。
・早期に職場復帰するために、「今」休むことが大切と伝えましょう。

しかし医師の診断によって、休職が必要となっている状態で無理をすれば、さらに悪化してしまう恐れがあります。悪化すればその分、休職期間も伸びますし、職場復帰までに長い時間がかかります。その分、経済的に不安な状態が続くことになるわけですから、早目に休んで、そして元に戻ることを考えれば、医師が言っているとおり「今」休むことがベストな方法であるということを伝え、休職に入ってもらうように促しましょう。

なお、その他にもおすすめしているのは、このような場合の対応策として、就業規則に休職命令を示す規定を設けることです。

 

企業様の声

●経済的な理由から休職を頑なに拒否する社員がいた。結局、悪化してしまい休まざるを得なくなってしまった。そんな状態で休職に入ったものの、弊社の休職期間は6箇月であり、職場復帰後も体調が戻らないままだった。最終的には本人の意向で退職となったが、本当に大変だったので休職に入る前の就業規則を変更することにした。今は休職に入る前の段階でそのようなトラブルはなくスムーズに休職に入れている。
●弊社の場合は「休職は欠勤が一月以上継続した場合・・」となっていたが、以前のうつ病になった社員の場合、継続して欠勤することはなく、飛び飛びに欠勤したり出勤したりで、休職までになかなか至らなかった。そのようなケースにも対応してもらえる就業規則を作成してもらえたので、本当に助かっている。やはり身体の病と心の病とは休職に入るまでの経過が全く違うため、それぞれに対応したものにしていかなくては企業のみならず社員も守ることができないと痛感した。