あなたの会社は大丈夫?

メンタルヘルス対策を行うと企業と社員にどのようなメリットがありますか?

これはよく企業の方からお尋ねされる質問です。

まず、あげておきたいことは「転ばぬ先の杖」を手に入れるということです。わが国では、およそ30人に1人が過去1年以内にうつ病を経験し、10~15人に1人が一生のうち1度はうつ病を経験すると言われています。

これらの数字から考えても「自社の社員がうつ病を発症する確率」は決して低くないことがお分かりになると思います。

また、厚生労働省では、働く人のこころの病は「仕事のストレス」「仕事以外のストレス」「個人的要因」から発症すると考えており、それらのストレス要因となるものは実に様々です。

最善の手とは?

「仕事のストレス」が特に強いものであるならば、労災としての可能性も考えなくてはいけませんが、それ以外の要因でこころの病になったとしても、業務への支障や、休職を余儀なくされれば、やはり企業としての対応が必要になってきます。

今まで弊社にご相談のあった企業様の多くが「こころの病にかかった社員への対応」にお困りなっていました。中には対応が後手になってしまい、労使紛争寸前の状態になっていたこともあります。

しかし、これは企業の怠慢さが招いたことではなく、100%の企業様が「どのように対応して良いか分からなかった」ということが原因です。

弊社は、お蔭様で多くの企業様のご相談実績を持っておりますので、他社事例などを踏まえて、労務管理上のアドバイスを行うことが可能です。

産業医の選任義務のない50人未満の会社様から上場企業の会社様まで、様々なご相談を受けています。

企業のリスク回避のみならず、こころの病で悩んでいる社員様やそのご家族様への道しるべとなり、また、周囲の社員様へのモチベーションの回復にもつながるお手伝いをさせて頂いています。

もちろん、全てのケースがうまくいくわけではありません。中には「職場復帰後も体調が戻らない」「企業規模が小さく休職期間が短い」「受け入れ先の職場で業務軽減を図れるような仕組みができない」などの理由により退職という道を選ばなければいけなかった方もいます。誤解のないようにここは声を大にしてお伝えしておきたいのですが、そのような場合であっても、ただ手をこまねいているだけではなく、企業としてできるところまで誠心誠意やった、様々なトライをしてもダメだった、その結果の退職であったということをご理解頂ければと思います。

そのため結果が退職となっても、その後トラブルへ発展することはありません。しかし、これでは企業側のリスクを回避しただけに過ぎません。

職場復帰ありき

私どもの目的は、病気になった社員でも、また働ける職場を創ることなのですから。いえ、もっと大きな目標をあえて掲げるならば、そもそも病気になどならず、誰もが元気に明るく働ける職場を創るご支援をしていきたいと思っているのです。

しかし、その目標はまだ道半ばです。今は「職場復帰ありき」の信念のもとにメンタルヘルス対策の支援を行っています。

その結果、元の職場に戻りまた元気に働くことができる人たちが増えてきています。再発者が少なくなった企業様、や今まで一人で対応し途方にくれていた中小企業の経営者や人事担当者の方と共に歩くことで、そのご負担を軽減でき、以前よりメンタルヘルス対策を積極的に取り組んでもらえた結果だと思っています。

ここでは、その一部をご紹介いたします。もし同じようなお悩みを抱えている企業様がいらっしゃったら、是非一度ご相談下さい。

典型的な相談の事例

メンタルヘルス対策といっても、様々なパターンが考えられます。そこで時系列に代表的な例を見ていきましょう。

A「初期対応」時の相談事例

どうもメンタルヘルス不調ではないかと思われる社員がいるのですが・・。
近頃、遅刻や欠勤が増えてきて、顔色も良くありません。
今まではそんなことは一度もなかった社員なのに・・。
それで、気になって「体調が悪いようだ、気になるから病院に行かないか?」と促してみたのですが「大丈夫です」と言われてしまいました。
その後も様子を見ていますが、どんどん体調が悪くなっているようで心配しています。
本当に、このまま静観していて良いのでしょうか?

ポイント①

以前から遅刻欠勤があった場合は、勤怠不良として考える必要がありますが「今までなかった」という場合は、うつ病のSOSである場合が考えられます。
また、「顔色も良くない」ということですので、何らかの健康障害を引き起こしている状態が考えられます。このような場合は、まずは声をかけて頂き、ご本人に今の様子や体調などを聞いてみましょう。

ポイント②

しかし、声かけを行ったとしても、このように「大丈夫です」と答えられてしまう場合が現実は多いようです。その際に一般的に弊社がお伝えしているのは、以下のとおりです。

  • 最初は「分かった。何かあったらすぐに相談して欲しい」と声をかけておきましょう。その際に、何月何日XがYに△△と声をかけ、Yは○○と答えた。というように記録に残しておきましょう。その上で様子を一週間ほどみておいてください。
  • 一週間ほどしても様子が気になる場合は、再度同じように声をかけ、その様子を記録に残しておきます。
  • さらに一週間ほどしても様子が気になる場合は、同じように声をかけます。
    その際にも「大丈夫です。」のままの返答であった場合は、改めて「ここしばらくは様子を見ていたが状況が改善しているように見えない。やはりここは心配なので病院への受診(もしくは産業医への面談)を考えてみて欲しい。」と伝えます。それでも返答に困っているようであれば、「企業側としての安全配慮義務もあるので・・」と伝えて下さい。

それと忘れてはいけないのが、個人の視点です。体調の悪い社員に対し、もう一人の家族と思って声をかけてみて頂きたいのです。その方がもしご主人や奥様や息子さん娘さんだったらどのように声をかけますか?ご両親だったら?ご兄弟姉妹だったら?
企業側のリスクや自らの役割に固執してしまうと肝心なことを忘れがちです。企業の安全配慮義務も最終的にはお伝えすることになりますが、まずは個人の視点を持ち接して頂ければと思います。

以上のようなステップを踏んで本人と話し合って頂きますが、あくまでもこれは一般的なものであり、場合によってはすぐに専門医へ受診(または産業医への面談)を促すことが必要になりますので、それらの判断は個別の対応となります。ご注意ください。
なお、その他にもお勧めしているのは、このような場合の対応策として、就業規則に病院受診を促す規定を設けることです。

企業様の声

●ラインケアの重要性は理解していたが、実際の対応になると難しくて頭を抱えていた。特に「いつもと違う部下」への声かけを行っても「大丈夫です」の答えに対して、それ以上のアプローチができずにいたが、具体的な示唆をしてもらったおかげで産業医への面談がスムーズに行き、専門医への受診までがとんとん拍子で進んだ。
お蔭で早期発見となり、その部下は投薬治療と1カ月の残業制限だけで体調が元に戻った。

●以前も同じような状態になった社員がおり、そのままにしていた結果、うつ病を発症し最終的には退職となってしまった。優秀な社員だっただけに、対応の遅さが今も悔やまれる。今は早目早目に声をかけているせいか、その後うつ病となった社員はいない。
むしろ上司が気軽に声をかける風土ができあがり、メンタルヘルス対策というよりも良い組織風土が醸成されたと喜んでいる。

B「病気休業開始」時の相談事例

医師から「うつ病」と診断された社員のことでご相談があります。
診断書には「一カ月の休職の必要あり」となっています。
弊社には休職制度がありますので、早速休みを取るように本人に伝えたのですが
「休職に入ると生活が成り立たなくなる。だから休職はしない」と言います。
こういう場合は、どのように対応したら良いのでしょうか?

ポイント①

医師により「うつ病」と診断され「一カ月の休職の必要あり」と診断書に明記されている場合、素人判断で無理に就労させるのは危険です。
特に「うつ病」の場合は、自殺念慮がありますので、それらの事実を知っていながら働かせた結果、自殺となった場合は企業の安全配慮義務も問われることになります。

ポイント②

会社に休職制度がある場合は、早急に休職に入ることが望ましいのですが、このように経済的な理由により休職を拒む方も少なくありません。

このような際に一般的に弊社がお伝えしているのは、以下のとおりです。

  • まずは休職を拒む人の立場になって一旦考えてみましょう。

    健康保険に入っていれば、傷病手当金の給付が受けられる場合がありますが、それでも給付額は標準報酬日額の3分の2となります。
    (例)月額300,000円の給料 (1か月分) ⇒ 傷病手当金だと200,000円(30日分)
    となるため、普段より10万円少なくなる計算になります。

    ここからローンや教育費、さらに光熱費、食費・・と考えていくと、「休んでなんかいられない!」となる気持ちも理解できませんか?

    そのため「確かに貴方の言うとおり経済的な不安を感じる気持ちは理解できる」と一旦は、その本人の気持ちに寄り添って考えてあげてください。
  • 早期に職場復帰するために、「今」休むことが大切と伝えましょう。

    しかし医師の診断によって、休職が必要となっている状態で無理をすれば、さらに悪化してしまう恐れがあります。悪化すればその分、休職期間も伸びますし、職場復帰までに長い時間がかかります。その分、経済的に不安な状態が続くことになるわけですから、早目に休んで、そして元に戻ることを考えれば、医師が言っているとおり「今」休むことがベストな方法であるということを伝え、休職に入ってもらうように促しましょう。

    なお、その他にもおすすめしているのは、このような場合の対応策として、就業規則に休職命令を示す規定を設けることです。
企業様の声

●経済的な理由から休職を頑なに拒否する社員がいた。結局、悪化してしまい休まざるを得なくなってしまった。そんな状態で休職に入ったものの、弊社の休職期間は6箇月であり、職場復帰後も体調が戻らないままだった。最終的には本人の意向で退職となったが、本当に大変だったので休職に入る前の就業規則を変更することにした。今は休職に入る前の段階でそのようなトラブルはなくスムーズに休職に入れている。

●弊社の場合は「休職は欠勤が一月以上継続した場合・・」となっていたが、以前のうつ病になった社員の場合、継続して欠勤することはなく、飛び飛びに欠勤したり出勤したりで、休職までになかなか至らなかった。そのようなケースにも対応してもらえる就業規則を作成してもらえたので、本当に助かっている。やはり身体の病と心の病とは休職に入るまでの経過が全く違うため、それぞれに対応したものにしていかなくては企業のみならず社員も守ることができないと痛感した。

C「主治医による職場復帰可能」時の相談事例

うつ病で休職している社員より「職場復帰可能」という診断書が提出されました。しかし、本人の顔色は悪く、面談時においても元気がなさそうな様子です。
病気を発症する以前を知っている私からしてみると「本当に大丈夫なのか?」と思わず首をひねってしまうような状態なのですが・・。
主治医が「職場復帰可能」と言っているのであれば、良いのでしょうか?
なんだか心配です。

ポイント①

主治医の診断書では「職場復帰可能」、しかし現場の肌感覚からすると「本当に大丈夫?」となり「職場復帰させても良いのか?」と悩むケースは増えてきました。

実際、疑問を感じながらも職場復帰させたところ、元の業務に戻れたというケースは残念ながらほとんどなく、多くが「再燃・再発」となったというケースです。

職場復帰しても1か月後には不調を訴え、そのまま休職に再度戻ったケースや場合によっては、残りの休職期間がなく、出社が本人もできないということで話し合いの結果、退職となってしまったケースもあります。

参考までにリワーク機関でうつ病のリワークを担当している精神科医の医師に話を聞く機会があったのですが、その際に「なるほどなあ」と思ったことがありましたので、ここに掲載しておきたいと思います。

「多くの方の職場復帰が早すぎると感じている。ここでのリワークは、仕事よりも随分軽度なプログラムを作っているが、それでも最初の一週間で休む人が半分以上いる。このような中で職場に復帰できるのは、相当難しいと考える。」と言われたことがありました。
専門医がいて、専門のプログラムさえも継続できない状態であれば、専門家のいない職場に戻すのは、並大抵なことではないと考えなければいけないと改めて思った言葉でした。

また、職場復帰した方が再燃・再発をすることは、本人の自信を無くしてしまうことにもつながりますし、周囲のモチベーションも下げてしまいます。結果、支援をしてもらえる環境も制限されてきますので、企業としては判断を慎重に考えていく必要があると思います。

ポイント②

しかし、主治医の診断書では「職場復帰可能」となっている場合、医学的な判断ができない企業側としてはどうすれば良いのでしょうか?
この場合は、産業医がいれば産業医への意見を求めることをお勧めしますが、産業医の選任義務がないなどの場合は、主治医に対してさらに詳しい情報を再度お尋ねすると良いでしょう。

例えば「職場復帰可能となっていますが、顔色が悪いようですし元気がなさそうに感じます。会社としても職場復帰を望んでいますが、職場復帰にあたってどのようなことに注意をすれば良いですか?」であるとか「今回、職場復帰可能となっている社員は、△△の業務を行い、○○などのリスクが考えられますが、その点につきましても大丈夫でしょうか?企業側としてどのようなサポートを行えば良いですか?」などと、企業側が気になっている点について率直に、本人を通して文書で尋ねてみるのも一つの解決方法です。

重要なことですが、主治医も休職者との間に信頼関係を構築して病気の治療を行って下さっています。企業側も誠意を持って主治医と接することと、主治医に対して企業側も情報を提供することが信頼関係構築の鍵となります。

なお、その他にもお勧めしているのは、このような場合の対応策として、事前にいくつかの考えられる就業制限などを記入した診断書の提出を条件とした復職制度について規定を設けること、復職判定委員会などの設置などです。

企業様の声

●弊社の業務内容を考え、その休職者が戻るために尋ねたい内容の診断書をカスタマイズして頂いたお蔭で、職場復帰後の就業制限もスムーズに行えた。また、主治医と会社も信頼関係を結べたので、職場に戻ってからも気になった点は本人を通じて主治医に相談することができた。相互が情報を密にすることにより社員を安心して戻せた環境に感謝している。

●先生方に復職判定委員会のオブザーバーとして参加して頂き、他社事例を教えてもらえたのは助かった。

●今までの弊社の就業規則だと本人の申し出で復職可能となっていたが、就業規則を変えたお蔭で会社の判断となり、職場復帰に関して慎重に行うことができるようになった。お蔭で再燃・再発者が減り、元の職場に戻れる社員が増えてきた。そのせいか今ではメンタルヘルス不調がタブーではなくなり、早期発見・早期治療に繋がって、比較的短期で戻って来れるケースが増えてきた。

職場環境チェックリスト

  • 職場内で挨拶や日常会話がなされず、雰囲気が殺伐としている
  • 職場全体がいつも忙しい
  • 職場内で怒鳴り声が聞こえる
  • セクハラが横行しているが、黙認されている
  • 毎月80時間を超える残業を行っている特定の社員・職場がある
  • 離職者が毎月出ている
  • 人事評価の公平性や透明性がない
  • キャリア形成やキャリア開発がなされていない
  • 社内・社外で相談する窓口が設置されていない、もしくは設置されているが全く機能していない、もしくは社内に相談できる相手がいない。
  • 社内でメンタルヘルス、セクハラ・パワハラなどの教育研修や情報提供を行なっていない

0個・・青信号です!この状態を継続させましょう!
1個~3個・・黄色信号が灯っています。