【コラム vol.11】社内勉強会を開催しました ~健康情報管理に関して、実務と現場の視点が交差した学び~
【コラム vol.11】社内勉強会を開催しました ~健康情報管理に関して、実務と現場の視点が交差した学び
2025年6月16日(月)、当事務所にて健康情報管理規程に関する社内勉強会を実施しました。今回は所内スタッフ全員に加え、ある企業に勤務されている保健師さんにもご参加いただき、より実務的かつ現場に即した意見交換の場となりました。
テーマは、前回に引き続き「健康情報取り扱い管理規程」について。今回は特に、担当者ア~エの区分(※)を事業場の実態に応じてどのように設定するか、また健康情報をどこまで社内規程に明記するか、といった運用面に焦点をあてました。
中でも印象的だったのは、保健師さんからのご意見でした。「産業医、保健師、看護師、衛生管理者、衛生推進者などが“担当者”として例示されているが、それぞれ健康情報に対する理解や倫理観には差がある。医療職と一般の社員では、そもそものリテラシーが違うのでは?」という視点は、法律中心に考えがちな私たち社労士にとって非常に新鮮で、会議全体が一段と深まるきっかけになりました。
また、保健師さんの現場での経験から、「規程に書くこと」と「実際に周知・実行されること」は別問題であり、運用可能性を前提としたルールづくりの重要性についても話が及びました。
制度をつくる専門家としての社労士の視点と、実務に携わる医療職の視点が交差し、「職場で健康情報をどう守り、どう活かすか」という本質的な議論が交わされた、非常に実りある勉強会となりました。
今後も、制度と現場の“すき間”を埋める提案ができるよう、私たちは学びを続けてまいります。
※担当者ア~エの分類とは、厚生労働省「健康情報等の取扱規程」手引きにおいて示されている分類です。