ハラスメントの行為者が非を認めない場合に気をつけるべきこと

初動対応としてのヒアリングの注意点

行為者にヒアリングをしても「自分は何もしていない」の一点張りで相談者や周囲のヒアリング内容とは異なる場合、最終的には周囲の意見や証跡で会社が判断することになります。しかし本人の納得が得られないと再発防止にならないだけでなく、(懲戒処分を行った場合は)懲戒処分の無効を訴えられる可能性もあります。

行為者がハラスメント行為を認めないケースでは、いくつかの背景が考えられます。自分自身の行為がハラスメントだと思っていないので自分の非を認めたくない、懲罰などを与えられることを恐れている、会社への不信感が根底にある等です。いすれの場合も行為者がハラスメント行為を行ったと決めつけてヒアリングを行うと不要なトラブルにつながりかねません。

仮に実際にハラスメント行為を行っていたとしても、その行為そのものは許されないことですが、行為者なりの理由があることを心に留め冷静に話を聴くようにしましょう。また、行為者がハラスメントと思っていない場合でも、ヒアリングの場で説得するのではなく、会社として最終的な結論が出た段階で、改善を促すようにしましょう。

ヒアリング対象の拡大を検討する

相談者のみならず周囲の社員複数人から同様の証拠が出ているのであれば、やはり行為があった可能性が高いと考えられるので、ヒアリング内容が事実と言い得る証言・証拠をさらに集めるために必要に応じてヒアリング対象をさらに拡大することを検討頂けるとよいかと思われます。

最終的に懲戒処分となった場合も、罰を与えることが目的ではなく、処分を通じて改善を促していることを伝えるようにしましょう。