1年未満の社員に対する休職制度の必要性

就業規則には絶対的明示事項と、相対的明示事項がありますが、休職制度は後者になり、会社の裁量で定めることができます。貢献度や仕事の習得度は、往々にして経験年数に比例してくるので、休職期間や対象者を勤続年数で決めているところもあります。そのため、1年未満の社員は休職制度の対象外としていても、会社の裁量の範囲内となります。

想定されること

しかしながら、入社間もない社員が体調を崩し、診断書の提出と療養を申し出るケースも実態としては少なくありません。このような場合、1年未満の社員は休職の対象ではないので、すぐに「解雇」ができるかというとそうではありません。実務上、一旦は欠勤を認め、しばらく体調の様子を見ることが求められます。

しかし、この「しばらく」の期間が一体いつまでなのかということが、会社のルールとして明記されていないため、傷病の改善の見込みを産業医や主治医の意見を基に、本人と個別の話し合いの中で探っていくことになります。なお、仮に「欠勤」にしたとしても、本人の裁量で出社することを妨げることはできず(病状にもよりますが)、その間に病状の悪化などがあった場合は、安全配慮義務が問われる可能性もあります。

導入のメリット

しかし、休職制度があれば業務命令として休ませることができ、先のリスクを回避することができます。さらに1年未満の社員であっても安心して休むことができることは会社の心理的安全性を高めます。そのため1年未満の社員に対しても休職制度を導入することをお勧めします。